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第3章 帝国の富

西暦79 年、帝国が絶頂にのぼり詰めるさなか、ナポリ近郊の街ポンペイは突然の悲劇に見舞われます。ウェスウィウス火山が噴火し、街は一瞬にして5メートル以上降り積もった火山灰の下に埋没したのです。しかし、悲劇の街ポンペイは、タイムカプセルとして命をとりとめ、ありのままの姿で現代によみがえります。そこで我々が目の当たりにするのは、市民の豊かな暮らしぶりです。


彼らの家では、銀の食器や大理石の水盤、意匠を凝らした照明器具や暖房器具が用いられています。空間を仕切るあらゆる壁には、絢爛豪華な壁画が描かれています。そして見落としてはならないのが、市民生活を支える土台です。出土する種々の農機具から、農業の充実ぶりがうかがわれます。きらびやかな宝飾品は、帝国の金属資源の豊かさを示しています。規格化された水道機器は、インフラが整備されていたことの証です。


本章では、おもにポンペイ出土の展示品から、帝国の豊かさを実感し、それを支える堅固な社会基盤に注目します。

※ポンペイについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
 東京大学大学院 人文社会系研究科・UT-PICURE(COE象形文化研究拠点)ホームページ
 

≪ポンペイのフォルムから見たウェスウィウス火山≫
《庭園の風景(南壁)》(部分) 《庭園の風景(東壁)》(部分)
《庭園の風景(南壁)》(部分) ポンペイ、西のインスラ、「黄金の腕輪の家」(VI 17、42)、部屋32出土 フレスコ 高さ200cm、幅357cm ユリウス=クラウディウス朝時代、第III様式、IIb期 ボスコレアーレ、アンティクアリウム 画像データ提供:東京大学象形文化研究拠点(UT-PICURE) 《庭園の風景(東壁)》(部分)、ポンペイ、西のインスラ、「黄金の腕輪の家」(VI 17、42)、部屋32出土 フレスコ 高さ200cm、幅275cm ユリウス=クラウディウス朝時代、第III様式、IIb期 ボスコレアーレ、アンティクアリウム 画像データ提供:東京大学象形文化研究拠点(UT-PICURE)
《首飾り》
《首飾り》ポンペイ出土 金、エメラルド、真珠母貝 長さ34.5cm 後1世紀 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini /Archivio dell’Arte
《双頭の蛇の指輪》
《金のランプ》、ポンペイ、ウェヌス神殿地区出土 金 高さ6.9cm、長さ26.65cm、直径12.85cm、重さ896.94g 後1世紀 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini /Archivio dell’Arte
金のランプ
《双頭の蛇の指輪》ポンペイ出土 金 直径2.7cm、重さ33.73g 後1世紀 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini /Archivio dell’Arte ≪ブッラ≫ ヘルクラネウム(現エルコラーノ)出土 金 高さ6cm、重さ20.14g 前1世紀 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini /Archivio dell’Arte
ブッラ
第1章 帝国の誕生 第2章 アウグストゥスの帝国とその機構 第3章 帝国の富 特別出品 アレッツォのミネルウァ ソンマ・ヴェスヴィアーナ VR映像展示
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