西暦79 年、帝国が絶頂にのぼり詰めるさなか、ナポリ近郊の街ポンペイは突然の悲劇に見舞われます。ウェスウィウス火山が噴火し、街は一瞬にして5メートル以上降り積もった火山灰の下に埋没したのです。しかし、悲劇の街ポンペイは、タイムカプセルとして命をとりとめ、ありのままの姿で現代によみがえります。そこで我々が目の当たりにするのは、市民の豊かな暮らしぶりです。
彼らの家では、銀の食器や大理石の水盤、意匠を凝らした照明器具や暖房器具が用いられています。空間を仕切るあらゆる壁には、絢爛豪華な壁画が描かれています。そして見落としてはならないのが、市民生活を支える土台です。出土する種々の農機具から、農業の充実ぶりがうかがわれます。きらびやかな宝飾品は、帝国の金属資源の豊かさを示しています。規格化された水道機器は、インフラが整備されていたことの証です。
本章では、おもにポンペイ出土の展示品から、帝国の豊かさを実感し、それを支える堅固な社会基盤に注目します。
※ポンペイについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
東京大学大学院 人文社会系研究科・UT-PICURE(COE象形文化研究拠点)ホームページ
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