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第2章 アウグストゥスの帝国とその機構

「アウグストゥス」と「プリンケプス」。それぞれ「尊厳なる人」と「第一人者」を意味する二つの称号が、アウグストゥス(オクタウィアヌス)に与えられます。

「権威」を象徴するこれらの尊称は、あらゆる「権力」を手にした支配者としてのイメージを、アウグストゥスからぬぐい去ることができました。時代の動向を敏感にとらえるアウグストゥスの、巧みなイメージ戦略です。


強大な実権を握ったアウグストゥスは、長い内乱で荒れ果てた国土と人心の回復に努めます。フォルム・ロマヌム(フォロ・ロマーノ=中央広場)の再整備、皇帝広場をはじめとするさまざまな建築物の造営によって、都ローマは壮麗な姿に生まれ変わります。市民の心には、それらの建造物に表されたローマ建国の輝かしい歴史を通して、誇りと希望が芽生えます。アウグストゥス時代の秩序と調和は、整然と描かれた住宅の壁画からもわかるように、市民生活のすみずみまでおよびます。


本章では、彫像、フレスコなどの作品を展示し、帝国全土に平和をもたらしたアウグストゥスの統治の仕組みを探ります。

≪フォルム・ロマヌム≫ 画像データ提供:東京大学象形文化研究拠点(UT-PICURE) ※フォルム・ロマヌムは、都ローマの中央広場の名称
カノポスのイオ ≪カノポスのイオ≫ ポンペイ、オーマル公の家(IV9、1)出土 フレスコ 縦76cm、横89cm 後1世紀前半、第III様式 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini/Archivio dell'Arte dell’Arte ※ゼウスと交わったギリシアの都市アルゴスの女神官イオが、女神ヘラの嫉妬を買い、雌牛に変身させられた後、ナイル河口の都市カノポスにたどり着き、エジプトの女神イシスに迎えられる場面 イシスの儀式 ≪イシスの儀式≫ おそらくヘルクラネウム(現エルコラーノ)出土 フレスコ 縦95cm 横92cm 後1世紀半ば、第IV様式 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini/Archivio dell'Arte ※イシスは元来エジプトの女神で、共和政末期以降、ローマ世界に広まった。大地の女神としての信仰をはじめ、さまざまな崇拝の対象となった神秘的な女神
第1章 帝国の誕生 第2章 アウグストゥスの帝国とその機構 第3章 帝国の富 特別出品 アレッツォのミネルウァ ソンマ・ヴェスヴィアーナ VR映像展示
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