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第1章 帝国の誕生

ローマが地中海のほぼ全域を支配するようになった紀元前1世紀半ば、ユリウス・カエサルはルビコン川を渡り、都ローマへ軍を進めました。このときカエサルは、もはや時代遅れとなった共和政による体制を一新し、独自の斬新な発想で巨大なローマ国家を統治するという大志を抱いていました。しかし、志半ばでカエサルの夢は潰えます。このとき、彼の遺志を継いだのがオクタウィアヌス、後の初代ローマ皇帝アウグストゥスです。混乱に満ちた状況の中、冷静に現実を見据えながらアウグストゥスは事態を収拾し、共和政に代わる新たな体制を打ち立てます。ローマ帝国の誕生です。アウグストゥスは才能あふれる腹心の部下アグリッパと共に帝国の礎を築き上げ、さらに帝位の継承にも心を砕いて帝国にとこしえの命を与えます。


本章では、ローマ帝国を築き、そして引き継いだ偉人たちの肖像彫刻を通して、帝国創建前後の大きな変革の時代を概観します。

≪パンテオン≫ 画像データ提供:東京大学象形文化研究拠点(UT-PICURE)※紀元前1世紀後半、アグリッパが建造したあらゆる神々のための神殿。現存するパンテオンは、2世紀前半にハドリアヌス帝が改築したもの。
皇帝座像(アウグストゥス) ≪皇帝座像(アウグストゥス)≫ヘルクラネウム(現エルコラーノ)、通称「バシリカ」の矩形のエクセドラ出土 白大理石 高さ215cm 後1世紀中頃 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini /Archivio dell’Arte
アグリッパの胸像 ≪アグリッパの胸像≫ 紀元前40年 大理石 ポンペイ出土 ナポリ国立考古学博物館 © Luciano Pedicini /Archivio dell’Arte ※アグリッパはアウグストゥスの腹心の部下
第1章 帝国の誕生 第2章 アウグストゥスの帝国とその機構 第3章 帝国の富 特別出品 アレッツォのミネルウァ ソンマ・ヴェスヴィアーナ VR映像展示
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